成人式と振袖

2019年1月14日は、成人の日です。
ユニフォームとは少し違いますが、同じ生地つながりで振袖についてご紹介したいと思います♪

振袖と訪問着の違い

振袖

 

①袖がとても長い
振袖の一番の特徴は、袖が非常に長いことです。
振袖には、袖の長さによって、短い順に「小振袖」・「中振袖」・「大振袖」の3つの種類があります。
小振袖:二尺(75cm前後)
中振袖:二尺五寸尺(95cm前後)
大振袖:三尺以上(113cm前後)※大振袖は、本振袖とも呼ばれます
振袖の格は、その袖の長さが長いほど高くなります。

例えば、ちょっとしたお呼ばれなどには小振袖でも大丈夫ですが、結婚式などの格式ある式典に出る場合は大振袖がふさわしい装いとされています。
かつては、成人式などで着られる振袖は中振袖が主流でした。現在は長身の方も増えているため、身長に合わせて大振袖を着る人も増えています。

②柄が慶事向け
礼装である振袖の柄には、慶事向けのおめでたいものが使われます。
代表的な模様として、おめでたさを表す松竹梅、長寿を願う鶴亀、無限に広がる海のように幸せが広がることを願う青海波などの波模様などが挙げられます。

③未婚の女性の第一礼装
振袖は、未婚女性の第一礼装として位置づけられています。
成人式・卒業式・結婚式などの改まった席などでの未婚女性が着ます。

訪問着

①袖の長さは標準
訪問着の袖の長さは、おおよそ一尺五寸から八寸(約57~68cm)程度。ほぼ標準的な着物の長さです。

②幅広い柄
訪問着の柄の特徴は、「絵羽柄」と呼ばれる、着物を広げたときに1枚の絵のように見える柄が使われることです。
着物の仕立て方には、大きく分けて「柄のついた反物を着物に仕立てる方法」・「反物を着物に仕立て上げてから柄をつける方法」の2種類があります。
「反物を着物に仕立て上げてから柄をつける方法」でつけられた柄が、絵羽柄です。
訪問着の柄にはさまざまなモチーフが使われます。振袖のような古典的なおめでたい柄が使われることもあれば、モダン柄や抽象柄、季節の花を使った柄などが使われることもあります。

③未婚・既婚問わず着られる
訪問着は、未婚・既婚問わず着ることができる柄です。
既婚の人はもちろん、未婚の人でもお呼ばれやお食事会・お茶席などに着ていってもおかしくありません。

成人式の歴史

日本では古来より、成人を祝う儀礼は数々あります。

男子には元服(げんぷく)・褌祝(ふんどしいわい)
元服(げんぷく)
→元は頭を指し、服は着用を表します。子供から大人の服へと改め、頭に冠を付ける通過儀礼です。
褌祝(ふんどしいわい)
→男児が生まれて初めて褌を締めることで、成人になったと周りから見なされる通過儀礼です。

女子には裳着(もぎ)・結髪(けっぱつ)などがありました。
裳着(もぎ)
人した女子に初めて裳(十二単を構成する着物)を着せる通過儀礼です。
結髪(けっぱつ)
→女児の髪を結い上げる事で、子供から大人になる通過儀礼です。

昔の成人式は、20歳よりずっと前に行われていたようです。
現在と同じ20歳で成人式が行われるようになったのは、戦後のこと。地域の新成人が一堂に会して行う成人式の発祥は、1946年、埼玉県の現 蕨市で開催された「青年祭」だと言われています。
それが全国に広まり、1949年の1月15日が「成人の日」と制定されました。

成人の日を1月15日に定めたのは、元服の儀を新年最初の満月に行う風習があり、それに由来しているためです。
これは旧暦の話ですから、現代の暦では、1月15日が満月とは限りません。その後、西暦2000年の祝日法改正により「成人の日」は1月の第2月曜日に変更になりました。

成人式に振袖を着る理由

振袖は若い女性の礼服

未婚の若い女性の礼装は振袖となります。成人式は、冠婚葬祭の「冠」にあたる儀式で「最も格式の高い場」です。女性は礼装となる振袖でのぞむのがマナーと言われてます。

振袖で厄を払い身を清める

古来より「振る」というしぐさには神様を呼び寄せる、厄を払う、場を清めるなどの力があるとされています。
神社では神主さんが玉串を振ってお祓いをしますよね。
長い袖を振る振袖には、良縁を呼び、厄払いやお清めの効果もあると考えられました。

 

袖で示す恋愛サインがあったそうです。
江戸時代、振袖の長い袖は恋愛のサインに使われていました。
男性の求婚に応じる場合は袖を左右に振る、求婚を受け入れない場合は前後に振るというように。
つまり、既婚女性は袖を振る必要がないことから、振袖は未婚女性のものという意味もあるわけです。

歴史って面白いですよね♪
私が振袖を着たのは、遥か昔ですが・・・
その時に振袖の歴史を知っていたら、日本の歴史と文化を噛み締めながら、素敵な成人式を挙げられていたかもです。

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